半島怪獣「長崎」(下)

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先の先長崎

 そして、長崎半島の付け根部分に広がる長崎の街。正直、こんなところにあったのか、長崎!と驚いた。日本の西の端長崎も先の先、曲がりくねった半島のそのまた先の――島原半島長崎半島西彼杵半島の先の方を除けば――長崎県の中でも他県から内陸を通って行くには最も遠く不便な場所に位置している。その上、西彼杵半島長崎半島が形作る「逆くの字」の角にある長崎湾は、西に湾口が開いていて、しかも南側は岬と島とで囲われるようにブロックされている。完全に日本の外を向いている!と思ったが、よく見たらその真西に五島列島があった。

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 長崎湾は南北に7.8㎞ほどの細長い湾だ。その奥半分のより狭くなった部分が長崎湾で、湾の入り口にはその名も美しい「女神大橋」(別名「ヴィーナスウィング」)が架かり、湾の東岸と西岸を高い位置で結んでいる。この港を中心に、坂の町・長崎の市街地がすり鉢状に広がっているらしい。Google Earthストリートビューでも、坂の上から海と街を望む素晴らしい眺望がこれでもかこれでもかと現れて、ここに観光に行かなくてどうする!という気になる。(しかし、どう考えてもここには車が入れないだろうと思えるグラバー園の中までストリートビューで見て回れるのには驚いた。多分、実際に訪れても初めて行った気はしないと思う。)市街地は長崎湾沿岸から大村湾沿岸まで広がっている。このあたりが長崎県で最も人口が集中している地域のようだ。

佐世保湾平戸島

 長崎県本土の中で一番北にあるのが北松浦半島、本土最西端の半島だが、鼻先に大きな平戸島があり、他にもまわりに小さな島が散らばっているので半島としてはあまり目立たない。この半島の付け根のあたりにあって、佐世保湾を挟んで西彼杵半島と向かい合ってるのが、長崎第二の都市、佐世保市である。誇り高い長男・長崎がユーロピアンな街だとすれば、奔放な次男・佐世保は間違いなくバタくさいアメリカンだ(あくまでもイメージ)。佐世保湾には米海軍の基地があり、西海市を含む湾内のあちこちに様々な施設が散らばっている。海上自衛隊の基地も多数あるが、佐世保海上保安部のHPによると、「佐世保港内は米軍への提供水域(港内の約83%)が設定されているため、船の航行や停泊が規制、または制限されており、佐世保港港湾区域(港区)の8割は米軍の制限水域となっている」そうだ。佐世保港からは離島各地に向けてフェリーや高速船が出ているが、日本側が佐世保港を使わせて頂いているという感じかもしれない。

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 佐世保湾の外側の外海は、風光明媚な西海国立公園九十九島(くじゅうくしま)で、その名の通り夥しい数の島が点在し、島の密度は日本一と言われているらしい。長崎県に多いリアス式海岸の複雑さも、このあたりから北にかけて一層拍車がかかる。そして、北松浦半島の西海岸をず~っと北上すると、半島の先端のやや手前に健さんの映画にも登場した赤い美しい橋、平戸橋が架かっている。本土から平戸島までは、最短で600mほどの距離だ

  平戸島は、本土と北方領土を除けば、日本で16番目に面積が大きく、長崎県では、対馬五島列島福江島(ふくえじま)、中通島(なかどおりじま)に次いで4番目に大きい。平戸がこんなに大きな島だったということもかなり意外だったが、長崎市とは全く正反対の場所にあることにも驚いた。近くにあると漠然と思っていたからだ。平戸と共に南蛮貿易において重要な役割を果たした出島は長崎港の中にあった。島といっても人工島で、たった1.5ヘクタールしかなく、名前の大きさでは平戸に勝るとも劣らないけれど、面積では比べものにもならない。現在は周囲を埋め立てられて島ではなくなっている。

 

 長崎県の陸地は、対馬壱岐といくつかの島を除くと、平戸島の北の的山大島(あづちおおしま)の北端あたりを頂点とした美しい二等辺三角形のエリアにほとんどが収まる。そして、日本の中央から見れば辺鄙な場所のようにも思える長崎の地は、県全体が西に向いた港のようなもので、大陸方面から見ればまさに日本の正面玄関だったのだと地形を見て納得した。それぞれに個性の強い島海獣、「対馬」「五島列島」「壱岐」もそのうちGoogle Earthで訪れてみたい。

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